時には優しく…微笑みを
じゃ、そういう事だから、と諒太さんが帰って行った。

「課長…本当に危ないんでしょうか?」

「…まぁ、そこは俺も心配なんだ。大丈夫だとは思うけれど、念には念をだな…」

「分かりました…」

雲をも掴むような話で、私にはまだピンと来ていなかったけれど、課長があまりに真剣に話をしてきたので、否定出来ない部分があった。

部屋の事は、もうしばらく考えてから答えを出そう。
ただの部下だと分かったら、私なんかに手を出してくる事もないだろう、そう思っていた。

これ以上、課長に迷惑をかけたくなかったし、心配してもらう訳にはいかない。

大丈夫、と変なところでのんびりかまえていた私は、次の日会社に行って、その考えが間違っている事に気がついた。
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