時には優しく…微笑みを
「どうした?顔が赤いぞ?そんなに弱かったか?」

課長に顔を触られ、ピーク達してしまう。

「…っ」

その私を見た課長が慌てて手を引っ込めた。

「あ、すまん。セクハラだな、大丈夫か?」

「は、はい。大丈夫です。緊張してしまって…褒められるのに慣れてなくて…」

「え?ハハっ、そうだな、怒ってばっかりだったからな…」

「はい」

そんな感じで、課長と楽しい?食事が進んでいった。

♪♪♪♪♪♪♪

「櫻井じゃないのか?電話」

「え?あ、ほんとだ。すみません…」

「あぁ、」

鞄から電話を取り出し、相手を確認すると昨日泊まっていたビジネスホテルからだった。

「もしもし」

「櫻井様の携帯でよろしいでしょうか?」

「はい、え?はい、明日もお願い…ええ?はい、分かりました」

電話の様子を見ていた課長が声をかけてきた。

「なんかあったのか?」

「あ、いえ、」

はぁ、明日は泊まれないとか。今朝慌てて、延泊すること伝えてなかったし。泊まる所探さなきゃ、明日金曜日だし空いてる所あるのかな…

「櫻井?」

「え?あ、はい」

「なんかあったんだろ?困った事があるなら言ってみろ」

弱ってる所にその言葉は刺さります、課長…。

「あ、あの…」

私は課長に、家が燃え住む家がなくなったこと、ビジネスホテルに泊まっていたけど、予約が入ってしまい明日は泊まれないという事を説明した。

マンスリーマンション借りようかな、けど、治安とかが心配だし。

うーん。


「…櫻井」

考え込んでいた課長が、顔を上げた。

「はい、どうかしましたか」

「俺んとこ来るか?」

「へ?」

今、なんて言ったの?課長。
俺のところ?
な、なに…

「あ、いや、変な意味じゃないぞ?探すのが大変だろ?住む場所は、吟味して探さないと。その間でも間借りみたいな感じでいいなら、俺の部屋一つ空いてるし、会社の人間に手出す訳ないじゃないか」

「はぁ」

手出す訳じゃない、そっか。
ま、私にはそんな色気もないし…

「今日はあれだから、一晩考えてみろよ。1週間もいたら部屋探せるだろ?」

「そ、そうですね。考えてみます。ありがとうございます」

そう言った後、私達はお店を出て帰った。

課長と同居?
うーん。
今日もまた眠れそうになかった。

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