時には優しく…微笑みを
「いきなり、真面目にならないでよ。びっくりするじゃない」
「ごめんごめん。やっとさ、朋香が恋愛する気になったのが嬉しくてさ、ちょっとはしゃいじゃった」
「七海…」
七海のその言葉に涙が出そうになった。
私と七海は、出身が大阪と東京だから繋がりなんてないに等しいぐらいなのに、3年前東京で就職したいと、就活した時に道に迷った私が、七海に声をかけた事がきっかけで仲良くなった。
だから、私が優弥さんと別れた時の事ももちろん知っていた。
私よりも憤り、優弥さんに文句を言ってやる!と言ったぐらい。
あれから、私が男の人を信じる事が出来なくなってしまった私を、いつも心配してくれていた。
「七海…恋愛する前に、失恋しちゃったかも…あれ、なんでだろ、なんで泣いてんの私…」
私は自分でも分からないけど、泣いていた。