私の初恋


「誰だ?」


私を睨みつけながら、


低い声のまま口を開く彼。


その声に怯む事なく一歩前に出ると、


「人の名前を聞く時は、まずは自分から!」


両手を腰に当てて前かがみにきつめに言う。


しゃがんでいた彼は立ち上がる。


私も姿勢が自然と戻る。

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