扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
数日後の朝、本を手にしてキョロキョロと見渡しながら校舎の中を歩いていた。
彼は言っていた。
「会いに来て」と。
だけど、名前も学年も知らない彼にどうやって会いにいけと。
次の週の同じ曜日に図書室に行ったけど、やはりいなかった。
そして、中庭の奥のベンチで彼が座りながら本を読んでいたのを見つけた。
「居た」
あの夢を見たから?
それとも偶然だろうか。
気にしつつも彼に近付こうと足を動かした。
「!」
朝の涼しい空気にキラキラとなびくミルクティー色の髪が鮮やかに光ってとても綺麗に見えた。
綺麗過ぎるから何をしても様になるのだろう。
少し羨ましい気もするけど。
もし私が美少女だったら嫌がらせされず済んだのかもしれない。
「……」
ぎゅっと本を握り俯く。
やっぱり戻ろうか。
このまま会うことなく。
私と彼には違いが大き過ぎる。
そう思ったその時。
「あっやっぱり会いに来た」
「!」
私に気が付いた彼は嬉しそうに近付いてくる。
「あっ…」
彼の嬉しそうに近付いてくる笑顔に私の心に妙な違和感が脇立ち後退りする。
「ごっごめんなさい…やっぱり」
いつからだろう。
かっこいい男の子に対して、いやそれ以前に男性に対して怖がるようになってしまったのは。
彼もまたその1人じゃないかと思ってしまう。
彼は言っていた。
「会いに来て」と。
だけど、名前も学年も知らない彼にどうやって会いにいけと。
次の週の同じ曜日に図書室に行ったけど、やはりいなかった。
そして、中庭の奥のベンチで彼が座りながら本を読んでいたのを見つけた。
「居た」
あの夢を見たから?
それとも偶然だろうか。
気にしつつも彼に近付こうと足を動かした。
「!」
朝の涼しい空気にキラキラとなびくミルクティー色の髪が鮮やかに光ってとても綺麗に見えた。
綺麗過ぎるから何をしても様になるのだろう。
少し羨ましい気もするけど。
もし私が美少女だったら嫌がらせされず済んだのかもしれない。
「……」
ぎゅっと本を握り俯く。
やっぱり戻ろうか。
このまま会うことなく。
私と彼には違いが大き過ぎる。
そう思ったその時。
「あっやっぱり会いに来た」
「!」
私に気が付いた彼は嬉しそうに近付いてくる。
「あっ…」
彼の嬉しそうに近付いてくる笑顔に私の心に妙な違和感が脇立ち後退りする。
「ごっごめんなさい…やっぱり」
いつからだろう。
かっこいい男の子に対して、いやそれ以前に男性に対して怖がるようになってしまったのは。
彼もまたその1人じゃないかと思ってしまう。