扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

episode3

差し出される手のひら

学校なんて楽しくない。



でも休むなんて私にはできなかった。



だからといって反論する勇気なんてなかった。



男の子なんて野蛮で裏表が激しく簡単に傷付ける。



たかが断っただけなのにどうしてそんな扱いをされなきゃいけないのか本気で理解できなかった。



それ以前に人との接しが本気で嫌になっていた。



それは小学生の頃からそうだった。



だから学校では友達や星都先生以外の人とは接したくなかった。



幸いにも無闇に話し掛けて来る人はいなかった。



私は別に関わりが少ないと言われても別に良かった。



別に良かったんだ。



傷付けられるくらいなら関わらなきゃいいと。



そう思ってたのになのに。



そんな私にあの人は親しみのある含みを向けて声を掛けて来た。



それが不可思議で仕方なかった。