扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
手を繋がれたまま校舎の外へと連れて行かれる。



(……)



正直、この状況というのは少し気恥ずかしい。



という以前に男の子と手を繋ぐなんて幼稚園の頃以来な気がするから余計に恥ずかしい。



幸いにも他の生徒がいなかったので変に思われる事はなかった。



おそらく彼は騒がられる程に人気なのだと思うけど。



実際はどうなんだろうか知らないけど。




連れて来られたのは、学校の隣の建物。



洋館みたいだけど、というには少し小さめだ。



彼は何の躊躇もなく建物の中ではなく隙間の路地に入っていく。



ここ何かの会社かお店だろうか。



いつも通っているけど、大して気にした事なかったけど。



路地を抜けると更に端っこへと向う。



(いったいどこに向かうの?)



ただ引っ張られている私にはどこに行くのかさっぱりだ。



そして、どこにドアノブがあったのか突然扉を開き中に入る。



「…!?」



(ドアノブはどこ!?)



目で探してみたがどこにもない。



それ以前にどこに向かっているのだろうか。



なぜか建物の中に入っているのだけど…。



この建物の中だろうか。



個室のようだけど、扉が目にみえないのなぜだろう。



(ここ何?)


< 19 / 101 >

この作品をシェア

pagetop