扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
「でも…変だって…言われた事あって」
私がアリスを読まなくなったのもそのせいだ。
普通じゃないものを好むのはいけない事なんじゃないかって、思うようになってしまっていた。
だから、人に絵本が好きだって言うのは抵抗があった。
だって、「おかしい」って他人に思われる事がすごく嫌で、それが変に自分を痛めつけているみたいで嫌だった。
だから、あれが好きとかこれが好きだとか、他人に言いたくなかった。
今回も本当は言いたくなかったんだけど、でもなぜか言ってしまった。
「…ねえ、アリスちゃん」
「……」
私の気持ちを察するかのように、蒼兎くんはある言葉を私に向けた。
「君はきっと…心が弱いんだね。悪い事じゃないのに、好きなものに他人の否定的な意見なんて聞かなきゃいいのに」
「………」
なぜだろう…。
なぜ、肯定してくれるのだろう。
「おかしいのは否定する人達だよ」
「そうなの?」
「うん」
昔から家族からにも友達からも変わった子だって言われていた。
それが、すごく嫌だった。
普通でなければダメだってずっと思ってて、普通になりたくて頑張って普通にしようって振る舞っても中々出来なくて、結局は嫌われているのが現状で、それが何より嫌だった。
「でもでも普通じゃなきゃ、変な子だって思われるから」
「うーん、なんで普通じゃなきゃいけないの?」
私の言葉に蒼兎くんははっきりとそう聞いてきた。
「普通ってつまらないのに、別にいいんじゃないかな? おかしくてもさ。ていうか、俺もこいつも結構変わってるよ。変わってるからここにいるしね」
「⋯!」
彼の言葉に心の中で何かが弾けて切れた音がしたような気がした。
それは…今まで何かが募ってきた思い。
なのかもしれない…。
「………」
(不思議な人達だな)
なんだか、今まで出会った事のない人達だ。
もしかしたら、こんな風に優しく言われた事がなかったからかもしれない。
昔からそうだった。
別に嫌われている訳ではなかった。
友達もちゃんといたけど、でもよく悪口や陰口を言われる事が多かった。
『望杏ちゃんって変な子だよね〜』
『ぶりっ子してるしね〜』
『また絵本読んでるよ、あの子』
何がいけないのか分からなくて、変に言われるのが嫌で普通になりたかったのに。
なのに初めて否定されなかった。
むしろ肯定してくれた。
私が変なのか、彼らが変なのかよくわからない。
でも、少しだけ嬉しかった。
私がアリスを読まなくなったのもそのせいだ。
普通じゃないものを好むのはいけない事なんじゃないかって、思うようになってしまっていた。
だから、人に絵本が好きだって言うのは抵抗があった。
だって、「おかしい」って他人に思われる事がすごく嫌で、それが変に自分を痛めつけているみたいで嫌だった。
だから、あれが好きとかこれが好きだとか、他人に言いたくなかった。
今回も本当は言いたくなかったんだけど、でもなぜか言ってしまった。
「…ねえ、アリスちゃん」
「……」
私の気持ちを察するかのように、蒼兎くんはある言葉を私に向けた。
「君はきっと…心が弱いんだね。悪い事じゃないのに、好きなものに他人の否定的な意見なんて聞かなきゃいいのに」
「………」
なぜだろう…。
なぜ、肯定してくれるのだろう。
「おかしいのは否定する人達だよ」
「そうなの?」
「うん」
昔から家族からにも友達からも変わった子だって言われていた。
それが、すごく嫌だった。
普通でなければダメだってずっと思ってて、普通になりたくて頑張って普通にしようって振る舞っても中々出来なくて、結局は嫌われているのが現状で、それが何より嫌だった。
「でもでも普通じゃなきゃ、変な子だって思われるから」
「うーん、なんで普通じゃなきゃいけないの?」
私の言葉に蒼兎くんははっきりとそう聞いてきた。
「普通ってつまらないのに、別にいいんじゃないかな? おかしくてもさ。ていうか、俺もこいつも結構変わってるよ。変わってるからここにいるしね」
「⋯!」
彼の言葉に心の中で何かが弾けて切れた音がしたような気がした。
それは…今まで何かが募ってきた思い。
なのかもしれない…。
「………」
(不思議な人達だな)
なんだか、今まで出会った事のない人達だ。
もしかしたら、こんな風に優しく言われた事がなかったからかもしれない。
昔からそうだった。
別に嫌われている訳ではなかった。
友達もちゃんといたけど、でもよく悪口や陰口を言われる事が多かった。
『望杏ちゃんって変な子だよね〜』
『ぶりっ子してるしね〜』
『また絵本読んでるよ、あの子』
何がいけないのか分からなくて、変に言われるのが嫌で普通になりたかったのに。
なのに初めて否定されなかった。
むしろ肯定してくれた。
私が変なのか、彼らが変なのかよくわからない。
でも、少しだけ嬉しかった。