扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
「えーっとどこまで話したんだっけ?」



「ん?」



私の事で脱線したせいなのか、音仲くんがどこまで進んだのか分からなくなっている。



「自己紹介までだろ」



「ああ、そっかそっか」



やはり私の事で脱線していたせいなのだろう。



とりあえず、続きの説明を再開し始めた。



「えーっと、一応 今は瑠架くんと僕だけだけど、他にもいるけどそれはまた今度かな」



「集まるといいけどな、全員」



「そうだよね〜」



中々集まらないのだろうか?



「学園にいない人もいるからね」



それって…もしかして。



「卒業した人?」


「正解だよ、望杏ちゃん」


し、下の名前でちゃん付けで呼ばれた…。



男の子にそう呼ばれたの初めてなんだけど。



「いや、普通分かるだろう」



「えっそう? まあ、いいや。次行こう」



「ポジティブだな〜」



「………」



仲がいい?



楽しそう?



もっと違う表現な気がする。



なんとなくそんな感じがした。



「次は…なんだろう? 何から説明したらいいかな?」



説明がたくさんあるせいかは分からないが、音仲くんは蒼兎くんに声を掛ける。



「ああー属性かな?」



「ああそっか、説明すんの初めてだから…はは」



「確かに、いつもあいつが説明していたしな。
今日に限っていないしね」



そういう担当の人がいるんだ。



「まあ、いいや。とりあえず、説明しなきゃいけない分だけ説明するね」



そう言って、蒼兎くんは軽く淡々と説明を始めた。



「おそらく気になっていたと思うけど、さっき俺ら自己紹介の時に「属性」っていう言葉を口にしていたと思うけど、あれは簡単に言うとキャラクターのイメージなんだよ」



「説明してもわかんないけど、僕らからすれば君はアリスっていうのは分かるかな」



2人は迷いもなく私のことをアリスって言っていた。



それは適当に言っていたのかと思っていた。



「それは何で?」



ただ、どうしてアリスと言われているのかは分からなかった。



「うーん、こればかりは説明しにくいよな」



蒼兎くんは唸りながら困る表現をしている。



「多分、向こうに行ったら分かるようになると思うけど…今は説明しても理解しにくい気がする」



(向こう?)



「簡単に言うと、オーラとか瞳が関係するよね」



「そうそう」



(オーラ? 瞳?)



蒼兎くんが言ったようにさっぱり分からなかった。


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