扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
「ようこそ、アリスワンダーワールドに」
ねずみちゃんはそう言って私を歓迎してくれた。
音仲くんも蒼兎くんもなぜかニコニコとした表情をしていた。
だけど、私は反対に困惑と疑問が頭の中でグルグルしていた。
「アリスって⋯ていうかここは。さっきまで」
どう考えても部屋の中ではない事は理解していた。
そもそもしゃべるねずみもおかしな事だ。
「そうですね、なんというかここは。
現実世界ではなく、異空間世界という事ですかね」
「異空間?」
ねずみちゃんは不可解な謎的な発言をしだした。
「物語と繋がったアリスの世界です。現実と同じ世界とは思わない方がいいですよ。現実ではありえない空間が存在して繋がっているんです」
どういう空間なんだろう?
そもそもどういう原理でこんなおかしな状況になっているのだろうか。
普通では絶対にありえないのに。
「あんまりそういうのは考えない方がいいよ。考えても仕方ないから、俺らもよく分かってないしね」
異空間について考えていたら、蒼兎くんが指摘するように私に言う。
「そうですね、考えても教えられませんしね。実際、私も分かりませんしね。まあ、ここに来れる人間も限られていますし」
ねずみちゃんはそんな不思議な事を言った。
ねずみちゃんも知らないってどういう事だろう。
この子はここの住人じゃないの?
それにしては、私が来れた理由はなんだろう?
蒼兎くんは素質があるみたいな事を言っていたけど、いったいどういう事だろう。
蒼兎くんが私に声を掛けたのは、その素質があるからなんだろうけど。
分からない事だらけに頭がパンクしそうな勢いだ。
「えっと私には素質があるの?」
「はい、私から見てもそれは一目散です。でなければここに来れませんから。大丈夫です、あなたもいずれ分かるようになりますから」
「いずれって」
ねずみちゃんにはっきりと言われても理解が良くわからない。
「望杏ちゃん、そんなに難しく考えても仕方ないよ。
気軽にいこうよ」
「えっ」
音仲くんは軽い感覚で私に言ってくる。
「いずれ分かるから、今はここに慣れる事だけでいいと思うよ」
(慣れる?)
確かにそうかもしれない。
まだここがどういう場所かもわからない。
なら、ここを知る事から始めたらいいという事なのだろうか。
と言ってもこんな不可思議な状況にあっさりと理解できるはずもないんだけど。
ねずみちゃんはそう言って私を歓迎してくれた。
音仲くんも蒼兎くんもなぜかニコニコとした表情をしていた。
だけど、私は反対に困惑と疑問が頭の中でグルグルしていた。
「アリスって⋯ていうかここは。さっきまで」
どう考えても部屋の中ではない事は理解していた。
そもそもしゃべるねずみもおかしな事だ。
「そうですね、なんというかここは。
現実世界ではなく、異空間世界という事ですかね」
「異空間?」
ねずみちゃんは不可解な謎的な発言をしだした。
「物語と繋がったアリスの世界です。現実と同じ世界とは思わない方がいいですよ。現実ではありえない空間が存在して繋がっているんです」
どういう空間なんだろう?
そもそもどういう原理でこんなおかしな状況になっているのだろうか。
普通では絶対にありえないのに。
「あんまりそういうのは考えない方がいいよ。考えても仕方ないから、俺らもよく分かってないしね」
異空間について考えていたら、蒼兎くんが指摘するように私に言う。
「そうですね、考えても教えられませんしね。実際、私も分かりませんしね。まあ、ここに来れる人間も限られていますし」
ねずみちゃんはそんな不思議な事を言った。
ねずみちゃんも知らないってどういう事だろう。
この子はここの住人じゃないの?
それにしては、私が来れた理由はなんだろう?
蒼兎くんは素質があるみたいな事を言っていたけど、いったいどういう事だろう。
蒼兎くんが私に声を掛けたのは、その素質があるからなんだろうけど。
分からない事だらけに頭がパンクしそうな勢いだ。
「えっと私には素質があるの?」
「はい、私から見てもそれは一目散です。でなければここに来れませんから。大丈夫です、あなたもいずれ分かるようになりますから」
「いずれって」
ねずみちゃんにはっきりと言われても理解が良くわからない。
「望杏ちゃん、そんなに難しく考えても仕方ないよ。
気軽にいこうよ」
「えっ」
音仲くんは軽い感覚で私に言ってくる。
「いずれ分かるから、今はここに慣れる事だけでいいと思うよ」
(慣れる?)
確かにそうかもしれない。
まだここがどういう場所かもわからない。
なら、ここを知る事から始めたらいいという事なのだろうか。
と言ってもこんな不可思議な状況にあっさりと理解できるはずもないんだけど。