扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
episode8

居た堪れない気持ち

アリスワンダーランド。



私の持っているアリスの物語どこか歪で曖昧で不気味で、世間で言うアリスとは違う不思議で可笑しな物語のアリスだ。



そんなアリスの物語が私は大好きだった。



だけどそんなひょんな事から空間世界であるアリスワンダーランドへと導かれた私は、そこでそれぞれあるアリスの物語をすすめてほしいという願いが持ち出されて、そのままアリスとして物語をすすめる事になったのだった。



私は確かにアリスが好きで、だけどそれは歪なアリスの物語のアリスが好きなだけだ。



でも、どうして私がアリスに選ばれたのか、そもそもどういう基準なのかよくわかないのも事実で。



それ以前にこのアリス属性に選ばれている人達は、なんというか個性や魅力があって他の人から人気がある人ばかりだ。



だけど私はそういう人じゃない。



だから違和感でしかない。



なんかいたたまれなくて、一緒にいる事自体がなんか嫌に感じる。



蒼兎くん達は歓迎的だけど私はこの中に入る事ができないと違和感を感じた。



だって違うから、そもそもが違うから。



私は人気者でもないし、クラスでも目立たない存在で、目立つ存在のグループがクラスにいたら関わりたくないタイプで男子と仲いい人もいなくて、逆に一部の人たちに嫌がらせを受けている人間なのに。



だから、基本的には目立たなく友達と静かに過ごしたい人間なのに、目立つグループに目を付けられているのも事実で、関われたくないから無視してるから。



だから、きっと蒼兎くん達の中に1人だけ違う私が入っていたら違和感でしかないし、変な陰口を叩かれそうだし、式見くん達から何を言われるかわからないし。



そもそも私は社交性もなくて行動力も自信もないネガティブな人間だから、あの中に入るなんて無理があるんだ。


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