過ぎる景色を共に
家に帰った僕は
1人考えた

あのキスは一体何だったのか

答えの出ない問題を
僕は一晩中考えた

目を閉じると蘇る
あなたの微笑んだ顔と唇の感触

それを振り払うように
僕は布団にくるまって眠りについた


次の日
少し気まずいと思いながらも
いつもと同じように会社に向かった

あなたは何事もなかったかのように
先輩達と笑って話していた

あれは夢だったのかと錯覚させるほど何もなく
相変わらず無愛想で
きつい口調で
物足りなささえ感じる程に
あなたは平然としていた


その日の夜
1人また1人と帰っていく中
僕は明日の会議に向けて
パソコンと向き合っていた

そしてなぜか
何もせずただ座っているあなた

気にしないようにしている時点で
既に気にしてしまっているのだと思いながらも
僕は真っ直ぐ前を見て
パソコンのキーボードの音を響かせた
声をかけてもらえると少し期待しながら
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