過ぎる景色を共に
前乗りした僕らの1日目は観光だ
"行きたい所あるんでしたっけ?"
"ある、あっち"
"どこですか?"
僕の前をスタスタと歩くあなた
目的地はわからない
気づけば人通りも少ない
路地に来てしまった
"あっち"
このままだと本当に迷子になりそうだ
"ちょっと待ってください"
僕はあなたの手を引いた
"目的地教えてください"
"方向音痴だと思ってる?"
"思ってます
調べるので場所教えてください"
"いい、あたしが調べる"
あなたはまた
僕の前を歩き始めた
数分後
到着したのは
あなたのイメージとはかけ離れた所だった
"Two adults, please."
流暢な英語で
店員と会話している
あなたからチケットを受け取り
僕達は中へ入った
薄暗い室内
いくつかのスポットライト
そして正面には
初めて見る大きなガラス
中には何匹もの魚達
水族館だった
平日の昼間だからか
人はほとんどいなかった
"魚を見て何が楽しいの"
とか言ってきそうなのに
あなたは子供のように
無邪気に笑っていた
僕は無意識に
あなたに携帯を向けた
突然のシャッター音に
あなたは振り返った
"なに?盗撮?"
手に持った携帯には
大きな水槽を背景にしたあなたの後ろ姿
"え?…すみません"
"あたしのこと好きなんだ"
"なんでそうなるんですか
魚、撮っただけです"
少しの間の後
あなたは僕に言った
"ちょっと来て"
手を引かれ
真っ暗な静まり返った空間に
僕は連れていかれた
深海魚のブースだ
深海魚が好きなのかと思った
"深海魚…先輩変わってますよね"
"ねえ、なんなの?"
"なんなのって
どういうことですか?"
真っ暗な部屋の中
お互いの顔もはっきりとはわからない
あなたはどんな表情をしていたのだろうか
もしかしたらあなたは
泣いていたのかもしれない
"嫌い"
あなたは僕に言った
"行きたい所あるんでしたっけ?"
"ある、あっち"
"どこですか?"
僕の前をスタスタと歩くあなた
目的地はわからない
気づけば人通りも少ない
路地に来てしまった
"あっち"
このままだと本当に迷子になりそうだ
"ちょっと待ってください"
僕はあなたの手を引いた
"目的地教えてください"
"方向音痴だと思ってる?"
"思ってます
調べるので場所教えてください"
"いい、あたしが調べる"
あなたはまた
僕の前を歩き始めた
数分後
到着したのは
あなたのイメージとはかけ離れた所だった
"Two adults, please."
流暢な英語で
店員と会話している
あなたからチケットを受け取り
僕達は中へ入った
薄暗い室内
いくつかのスポットライト
そして正面には
初めて見る大きなガラス
中には何匹もの魚達
水族館だった
平日の昼間だからか
人はほとんどいなかった
"魚を見て何が楽しいの"
とか言ってきそうなのに
あなたは子供のように
無邪気に笑っていた
僕は無意識に
あなたに携帯を向けた
突然のシャッター音に
あなたは振り返った
"なに?盗撮?"
手に持った携帯には
大きな水槽を背景にしたあなたの後ろ姿
"え?…すみません"
"あたしのこと好きなんだ"
"なんでそうなるんですか
魚、撮っただけです"
少しの間の後
あなたは僕に言った
"ちょっと来て"
手を引かれ
真っ暗な静まり返った空間に
僕は連れていかれた
深海魚のブースだ
深海魚が好きなのかと思った
"深海魚…先輩変わってますよね"
"ねえ、なんなの?"
"なんなのって
どういうことですか?"
真っ暗な部屋の中
お互いの顔もはっきりとはわからない
あなたはどんな表情をしていたのだろうか
もしかしたらあなたは
泣いていたのかもしれない
"嫌い"
あなたは僕に言った