過ぎる景色を共に
淡い恋
僕は女だ
この20年間
女として生きてきた
男になりたい訳ではなくて
なぜか女の子を好きになってしまう
高校時代は男の子と付き合った
バイト先が同じでよく遊んでいた
一緒にいると楽しくて
2人で遊んだりもしていたから
上手くいくかもしれないと思った
だけど、3ヶ月も続かなかった
友達の方を優先してしまい
距離が生まれて
僕の気持ちが冷めてしまった
今思えばその時から
その友達のことを
僕は好きだったのかもしれない
その子とは放課後、毎日のように
2人きりで残ってグダグダと話していた
帰り道も途中まで一緒で
席も隣で
もっと触れたい、もっと隣で笑って欲しい
離れたくない
そう思うようになってしまった
何度手を握ろうと思ったか
何度抱きしめようと思ったか
何度この気持ちを伝えようと思ったか
たまにふざけて
好きだけど
って言った
君は笑ってた
僕がこんなにも本気で想っているなんて
そんな気も知らないで
蝉のように
限られた時間の中で必死に鳴いて
少しでもこの思いが伝わるように
君との時間は
僕にとってかけがえのないものだった
何度も言葉にしている
好きって言葉は
僕が男だったら
もうすでに君に
本気と伝わっているだろうか
こんな思いはもうしたくないと
君のことを忘れようと
距離を置いて
見ないように、関わらないように
自分勝手な僕を許してください
卒業をする頃には
懐かしい日々として
僕は君への想いを消した