Contract marriage ―契約結婚

「…後妻…さんっ？」

「うん、そう。紘一さんのお母さんは…」

「雅さま。それは…」

雅の言いかけた言葉を、吉澤は制止させるように遮った…

「あ、そうだった。まぁ、とにかく…よろしくね。悠夏ちゃん」

と、ニコニコと笑顔を見せ、右手を差し出した雅…

悠夏も、その差し出された手を握り返し…、軽く頭を下げた…

「よろしく…お願いします。」

「紘一さんの奥さんが、こんな可愛らしい方で良かった」

と、無邪気に笑顔を向けられた…悠夏もつられ、やっと笑顔になった

「…はい。お願いします」
《いい人そうなお母さんで、良かった…

でも、紘一さんのお母さんって…何があったの？


何も…知らないんだな。私…》



その後、雅のススメで、いくつかのドレスを試着した…