Contract marriage ―契約結婚
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翌日…、悠夏は、朝から礼儀作法や着付け…の講義に追われていた…


やっと…、ひと息ついた…ランチタイム…

自室に戻ると…、スマホのLINEに高校の時からの友人で同じ大学にも通っている由貴からだった…

彼女は、女子校育ちの悠夏にとっては、数少ない友達…

根っからののんびりした所がある悠夏にとっては、異性と話をするだけで無意識のうちに、緊張してしまうのだ…

そのLINEを見ると…

『お久しぶり。悠夏、結婚して大学辞めるって聞いたけど。ホント?
詳しく話したいから、連絡ちょうだいね』

…と、言うものだった…


その内容に、我が目を疑う悠夏…

すぐに、由貴に電話を掛けていた…

「あ、由貴ちゃん! 悠夏。
私、結婚はするけど…大学、辞めないよ!」

と、挨拶も早々に…一気にそこまで言っていた…

電話の向こうの由貴は…

『えっ? でも、事務の人にも聞いてみたけど…退学届け、受理されたって聞いたよ? 結婚するからでしょ?
なんで、言ってくれなかったの?』

…というものだった…

心臓の音が、すぐ近くで聞こえるくらいの衝撃を受けた…ように感じた…

スマホを持っていた手が、小刻みに震えだしているかのように感じた…

「…うそ…っ」
《どうして、そんなこと…っ?》

友人の由貴には、確認してから連絡をする…とだけ伝えた…


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午後の講義の時間になっても…、約束した部屋に来ない悠夏…

様子を見に来た吉澤は、悠夏の部屋のドアをノックした。

…が、中からの返事はなく…、何度か呼んだのち、部屋のドアをそっと開けた…

「悠夏さま…?」

部屋の中を、そっと開けた吉澤…

その方を振り返った悠夏は…

「吉澤さん、私の大学…、退学届けって誰が…?」

…と、だけ…やっと言葉にして言えた…
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