Contract marriage ―契約結婚
「…吉澤さん…」
《嬉しい…

ここに来て…、こんな満たされているような気持ちになるなんて…》




互いを、慈しむかのように…求め合い…、抱き合った…

《身体は、大丈夫ですか?》
…と、吉澤は悠夏に幾度か…聴いた…

悠夏は、頷き返し…《大丈夫です》と、応えていた…

「…っあ、吉澤さん…っ!」
《私は、知らなかった…

愛する人に、抱かれ…身も心も満たされることを…》



「…悠夏さま…、どうされました?」

悠夏の頬を伝う涙を、吉澤は指先で拭った…

「…あ。違うの。嬉しくて…」

「……」

「私、あなたと結ばれる…と、思っていなかったから…」

その、悠夏の言葉に、吉澤の瞳が微かに揺らいだ…

「…可笑しいですね。
紘一さんは、私のことを以前より大切にしてくれてる…それは感じるのに。
愛されている…と、思うのに…
あなたとこうなったことが…嬉しい…」


見つめ合い…、口付けを交わした…


「…悠夏さま…っ」
《…あなたが求めているのは…

私ではないかもしれない。。

それでも、この人の傍にいたい…。。》



♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'゜☆.:*:・'゜♪.:*:・'゜☆.:*:・'゜♪.:*:

悠夏は、物音を立てないように、紘一が眠っているであろう…寝室に戻った…


「何処にいってた?」

寝室のドアをそっと閉めた瞬間…、背後から聞こえた声に、両肩を上下させた…

恐る恐る…振り返った悠夏…

「…あ、何か眠れなくて…。ごめんなさい…起こしちゃった?」

紘一に、気づかれる訳にはいかない…

と、咄嗟に思った

悠夏は、紘一に、誘われるまま…ベットに入り、紘一に、口付けをした…

そのまま、ベットに押し倒され…


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