ひと夏の恋をキミと
それからは一言も話さずに帰ってきた。


ただならぬ私たちの雰囲気を
察したみんなは何も言わなかった。


私のスマホには
陽輝がくれたハートの片方が
儚げにぶら下がっている。


私の頭は都合のいいようにばっかり
考えてしまうけど
きっと、あの時陽輝は私に
告白してくれようとした。


その気持ちを踏みにじってしまった後悔が
どっと押し寄せる。


だけど、どうすることもできない。


私が陽輝の気持ちを
受け入れるわけには
いかないんだ。


陽輝は、
この暑い夏と海の潮の匂いに惑わされて
私の事を好きだと勘違いしているだけ。


バイトが終わって
元の生活に戻れば
きっと私の事なんかすぐに忘れる。
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