ひと夏の恋をキミと
それだけ陽輝の言葉は
私にとって大きなものだった。


「そこでね、気付いたんだ。
私、自分でも知らないうちに
色んなことを諦めてた。
恋することも生きることも…。」


「でも…っ」


その先の言葉を続けようとしたけど
それは遮られた。


「うぅぅ…っ、ぐすん」


愛美の泣き声と
いきなり抱きしめられた
突然の行動によって。


「姫奈ぁ~~~~~…。」


「どうしたの~。」


背中をさすってあげていると
段々と落ち着いてきた愛美が言った。


「そうだよ。姫奈は自分から
諦める事なんて
何にもないんだよ!?
私と同じ!普通の女の子なの!
だから誰かを好きになって
キュンキュンしたり、嫉妬したりするの!
これからも、私とたくさん遊ぶの!
これ、もう決まってるからね!」
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