ひと夏の恋をキミと
今日全然混んでないのに
何手伝うんだよ。
俺は少しでも長く姫奈と一緒にいたいのに。


「なんすか。」


「そんな不機嫌になんなよ!
いい話なのによ。」


…いい話?


「今度の夏祭り、行くだろ?
俺、浴衣2着持ってるから
それ着てけよ!浴衣デート、女の子の憧れだろ?」


浴衣…デート…。


「大和先輩…。」


「ん?」


「大好きっす…。」


「やめろ!抱き着くな!気持ち悪い!」


そう言われたけど
俺は離れなかった。
この人、気が利くっていうか
俺にとってもお兄ちゃんみたいな存在。
感謝の気持ちを
熱いハグで伝え、俺は姫奈の元へ戻った。
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