ひと夏の恋をキミと
「いやぁ~かっこよかったね陽輝君!」


卒業証書をぶんぶん
振りながら肩を組んできた大樹。


「お前な…、でも、サンキュ。」


「おう!」


余りにも近い大樹を
引き離そうとしてると


「あ、あの…っ!」


後ろから声を掛けられ振り返ると
顔を真っ赤に染めた女の子が一人、
そこにいた。


「ん?どうした?」


大樹が聞くと


「あ、の、陽輝先輩…。」


…俺?


大樹はなんだかニヤニヤしながら
どこかへ行ってしまった。


「…なに?」


そう聞いただけなのに
更に顔を赤くしたこの子。


「あ、あの、私、その…
ず、ずっと好きでした!
さっきの話聞いて、陽輝先輩が
すごく大事に想ってる人がいることは
分かったんですけど…、
気持ちだけ伝えたくて…。」
< 217 / 268 >

この作品をシェア

pagetop