ひと夏の恋をキミと
急いで車へ戻ると


「ガーベラ?」


みんななんで花を買ったのか
不思議そうだった。
だって花なら大和先輩が用意してくれていたから。


「姫奈が、夏祭りの時
髪につけていた飾り。
それも白いガーベラだったんだよ。
花言葉は…”希望”」


これは姫奈の日記を読んで
知ったんだけど。


花言葉が今の自分に
ピッタリだと思って買ったんだって。


「…姫奈、喜ぶね、きっと。」



俺たちは二つの花束を持って
また病院へと車を走らせた。




「あら、みんな卒業おめでとう。」


病室へ着くと
飾りつけを終わらせた姫奈のお母さんにお父さん、
それから数人の看護士さんがいた。
< 220 / 268 >

この作品をシェア

pagetop