ひと夏の恋をキミと
「じゃあ、始めるか!」


大和先輩の合図で始まった卒業式。
先生役は唯一同い年じゃない
大和先輩が務めた。


「栗田 愛美」

「はい」

「卒業、おめでとう。」



「青山 陽輝」

「はい」

「卒業おめでとう。」


それから大樹、里美ちゃんが終わり、


「中山 姫奈」


「卒業、おめでとう。」


愛美ちゃんが特別に学校から
もらってきた、俺たちと同じ卒業証書を
姫奈の胸の上へそっと置いた。



その場の全員から姫奈へ
温かい拍手が送られた。


聞こえてるか?姫奈。


姫奈はこんなにもたくさんの人に
愛されてるんだよ。


祝福されてるんだよ。


ここで目を醒ましたら
みんなびっくりするぞ~。


起きて驚かすか~?


なんて、そんなこと言って
起きたら腰抜けそう。
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