ひと夏の恋をキミと
そんな事を考えていると
パーティーの準備が進んでいた。


「乾杯するぞ!」


大樹にジュースの入ったコップを
手渡された。


「卒業を祝しまして…」


「「「乾杯!」」」


姫奈のテーブルにも
ジュースとお菓子を置いてスタートした。


俺たちが集まると
決まってあの夏の話をする。



「そう言えばさ、雨降ってお客さん
全然来なかった日あるじゃん?
あの日、大樹海に落とされたんだよ~!」


里美ちゃんが
笑いを堪えながら話している。


これを知らなかったのは愛美ちゃんだけで


「何それ!めっちゃ面白いじゃん!
見たかった~!ねぇ!姫奈!」


こうやって時々
姫奈にも話しかける。


きっと心の中で返事して
笑ってるから。
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