ひと夏の恋をキミと
最近の姫奈はすごく
優しい顔をしてる。


ゆっくり寝てるんだな。
今まで頑張ってきた分。



…あ、そうだ。
花、花瓶に生けるか。


綺麗に束にしてもらった花たちを
一本一本抜き取り、花瓶へ移した。


「姫奈、これ白いガーベラ。
姫奈が夏祭りの日に着けてたやつ。
売ってたから買ってきたんだ。
綺麗だろ~?
姫奈によく似合ってるな。
ここに置いておくから毎日眺めろよ~。」


俺がそう言うと、
心なしか姫奈が笑ってくれたような気がした。


その隣にもう一つ花瓶を用意して
大和先輩が買ってきてくれた花も
同じように生けた。


一気に病室が華やかになって
俺はこの光景を写真に残した。
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