ひと夏の恋をキミと
一言一句
全部暗記してしまうくらい
読んだのに、なんでだろうな。


ポタポタと
俺の目から流れた涙は
姫奈の寝ているシーツに跡を作る。


「なぁ、姫奈、俺たちは
ここから始まるんだよ。
あの夏で終わったんじゃない。
ずっと…そばにいるから。
だから、いつか目を醒ました時には
また笑ってな。」



温かい姫奈の手を握りしめながら
俺はいつの間にか
眠りに落ちていた。
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