ひと夏の恋をキミと
この陽輝はなんだか可愛くて好き。
もちろん私は覚えていないけど、
陽輝の日常にこうやって
私がいたんだなと思うと
勝手に頬が緩んでしまう。


私に向けて話している
ビデオはたんさんあった。


誕生日は毎年ケーキ持って
ろうそくに火をつけて
お祝いしてくれているもの。
私の卒業式をしてくれているもの。
その日あった出来事を話してくれているもの。


ビデオを見て知った事。
陽輝はほぼ毎日私の病室へ足を運んでくれていた。
日付が途切れていた日は
本当に数日しかなかった。

この数日は
学校の試験で間に合わなかったとか
陽輝が風邪をひいたとか
そういう理由らしい。


あ、あと写真もたくさんあった。
日を追うにつれて、
写真の撮り方がどんどん
上手くなってるの。
終いには一眼レフを買ったらしくて、
新しい写真の画質は本当に綺麗だった。
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