ひと夏の恋をキミと
私が眠っていた8年で
世の中には変わったことが
たくさんあった。
でも、陽輝はビデオに残す
と言う形で、陽輝が生きた
この8年間の日々を
私にも見せてくれた。


たまにぽろっと零す本音も
弱音も、全部ここに詰まってる。


これも宝物になった。



ビデオを見返していると
あっという間に目的の駅へ着いた。


あの時を思い出すように
周りを見渡しながら歩く。


この場所は9年前から
ほとんど変わっていなかった。

新しい家が少し増えたかなって位。



ゆっくりと丘を目指し坂を上る。


ようやく上った先には
あの日と同じ景色。

天を仰ぎ、咲き誇る向日葵を
夕日が照らしていた。


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