ひと夏の恋をキミと
そう言って笑った後に続けて


「髪、びっくりした。可愛い。
すごく似合ってる。」


褒めてくれた。


「陽輝のやりたい事ノート
見ちゃったんだ。
だから驚かせたくて。」


すると


「やられたな~、
驚かすつもりが
逆に驚かされた。」


フッと軽く笑うと、
あの日と同じ真剣な目をした。



「姫奈。」


名前を呼ばれただけで
心臓がドクンと音を立てた。


「…はい。」


ふうっと小さく息を吐き


「俺は姫奈と、
これから先の人生一緒に歩みたい。
だから、俺と結婚して下さい。」


その言葉と共に
差し出された白いおっきな花束と
…指輪。


言葉が出ない変わりに
大量の涙が溢れた。
< 262 / 268 >

この作品をシェア

pagetop