ひと夏の恋をキミと
「泣く前に返事、くれる?」
指で私の頬絵緒伝う涙を拭いながら言った。


もう泣いてるよって思ったけど、


「…お願いします。」


絞り出した声でそう言った。


陽輝は嬉しそうに笑って


「左手出して。」


私の左の薬指に
そっと指輪をはめてくれた。


「サイズピッタリ…。」


「当たり前。」


ニッと笑ってドヤ顔をしていた。


まぁ、寝てる間にサイズ
測ったんだけど…。
と、素直に言ってしまう所が
陽輝らしい。


「これも。」


そう言って渡してくれた花束は


「ガーベラ…?」


「うん、やっぱりこれが一番だと思って。」


ガーベラの花束をもらったのは
2回目だね。
1回目は卒業式の時。


「…ありがとう。」


私にとって一番大切な花。
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