ひと夏の恋をキミと
その言葉と愛美の笑顔が
どれだけ私の心を
癒してくれたんだろう。


”人って温かい”


そんな事を思った。


私、愛美と友達になれて
良かった。本当に。



「愛美、それでね、
この事は誰にも言わないでほしいの。」


目線を合わせたまま言うと
私の強い意志が伝わったのか
少し納得のいかない顔をしていたけど
小さく頷いてくれた。


「…ありがとう。」


「…でもさ、姫奈。」


何だろ。


「恋は、諦める必要はないよ。」


何言って…


「姫奈、陽輝君の事好きでしょ。」


「そ、そんな事…」「ある。」


否定する前にそれは愛美によって
かき消された。


「だって、久しぶりに見たもん。
姫奈のあんな笑顔。
心から笑ってるって感じ。」
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