ひと夏の恋をキミと

私、受ける。

___花火から一週間


私の体調は驚くほど良好で
発作が何も起こらなかった。


陽輝たちのバイトは1ヶ月。


だから、あと3週間を切った。


この一週間で変わった事。


それは私が陽輝の事が
”好き”なんだと気付いた事。


許されないはずなのに
止めることができなかった。


陽輝の笑顔を見るたびに
胸がキュンって音を立てる。


陽輝に『姫奈!』って呼ばれるたび
何度も何度もその声を
頭の中に焼き付ける。


陽輝のおかげで
作り笑いをすることがなくなった。


だから忘れてた。


自分が病気だって事___


魔の手は一歩一歩私に
近づいていたのに。
< 53 / 268 >

この作品をシェア

pagetop