ひと夏の恋をキミと
___コンコン


部屋のドアをノックされ返事をすると
入って来たのは


「大樹。」


「よっ!」


陽気に手をあげ部屋の中へ入ってきて
俺の前に座った。


「なんだよ?」


いつもバイトが終わった後は
里美ちゃんと過ごしてんのに…


「いや~、ねぇ、心配、でさ…。」


心配?


「何が?」


大樹は気まずそうに、
でも意を決したように話し出した。


「お前も姫奈ちゃんも。」


「姫奈なら大丈夫だってよ。
疲れがたまったらしい。」


「そっか…。でも、お前は
大丈夫じゃねーだろ?」


「んな事ねーよ。」


「強がんなよ。
俺とお前、何年一緒にいると思ってんの。
バレバレだっつーの!
姫奈ちゃんの事好きなのも!」
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