空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
それは一面薄い青空が広がっていて、一本の大きなしだれ桜が画面を覆うように垂れている。
満開の桜が美しく描かれ、青空にはピンク色のビーズが無数に張り巡らされ花弁が美しく舞う様子が表現されていた。
「ほら、この青空の色、渡瀬さんの青空の色と全く一緒だろう?それにこの額の色」
TUYUKUSAさんの額も青空色をしていた。その額にまでピンクのビーズが彩られている。
まるで額から飛びだしていくかのように。
「ひょっとして渡瀬さんとTUYUKUSAは示し合わせたんじゃないかっていうくらいに重なり合う作品だろう?違うよね、知り合いじゃ?」
「・・・・・・いえ、違います」
だけど、なぜだか知っているような気持ちが膨らんできていた。
でも、それを自分自身認めてしまうのが今は恐い。
本当にそうだったら。
「そうそう、で、この作品のタイトルなんだけど、これ」
山田さんは自分の手帳から一枚の紙切れを出し私に手渡した。
見た途端、一気に意識がどこかに飛んでいき倒れそうになる。
慌てて足を踏ん張り体を支えた。
「うそ・・・・・・」
ようやく引き戻した自分の意識の元でもう一度その紙切れに目をやった。
【タイトル 『和桜』】
大きく胸が震えた。
体中が泡になって膨れ上がっていくような感覚。
信じられない。
「確か、渡瀬さんの下の名前って和桜って書いて『なお』じゃなかったっけ?おい、大丈夫か?」
呆然と立ちつくしている私に気付いた山田さんが心配そうな顔で私を見つめる。
「TUYUKUSAは今パリにいるらしくてね。新規プロジェクトの製品開発で忙しくしているらしいよ。この展示会も是非足を運びたいって行ってたんだが、新製品の発表が丁度展示会開催中にパリであるらしくってね。今回は観に来れないらしいんだ」
醍。
TUYUKUSAさんは・・・・・・私の憧れの人は、醍だったんだ。
どうしてもっと早く気がつかなかったんだろう。
満開の桜が美しく描かれ、青空にはピンク色のビーズが無数に張り巡らされ花弁が美しく舞う様子が表現されていた。
「ほら、この青空の色、渡瀬さんの青空の色と全く一緒だろう?それにこの額の色」
TUYUKUSAさんの額も青空色をしていた。その額にまでピンクのビーズが彩られている。
まるで額から飛びだしていくかのように。
「ひょっとして渡瀬さんとTUYUKUSAは示し合わせたんじゃないかっていうくらいに重なり合う作品だろう?違うよね、知り合いじゃ?」
「・・・・・・いえ、違います」
だけど、なぜだか知っているような気持ちが膨らんできていた。
でも、それを自分自身認めてしまうのが今は恐い。
本当にそうだったら。
「そうそう、で、この作品のタイトルなんだけど、これ」
山田さんは自分の手帳から一枚の紙切れを出し私に手渡した。
見た途端、一気に意識がどこかに飛んでいき倒れそうになる。
慌てて足を踏ん張り体を支えた。
「うそ・・・・・・」
ようやく引き戻した自分の意識の元でもう一度その紙切れに目をやった。
【タイトル 『和桜』】
大きく胸が震えた。
体中が泡になって膨れ上がっていくような感覚。
信じられない。
「確か、渡瀬さんの下の名前って和桜って書いて『なお』じゃなかったっけ?おい、大丈夫か?」
呆然と立ちつくしている私に気付いた山田さんが心配そうな顔で私を見つめる。
「TUYUKUSAは今パリにいるらしくてね。新規プロジェクトの製品開発で忙しくしているらしいよ。この展示会も是非足を運びたいって行ってたんだが、新製品の発表が丁度展示会開催中にパリであるらしくってね。今回は観に来れないらしいんだ」
醍。
TUYUKUSAさんは・・・・・・私の憧れの人は、醍だったんだ。
どうしてもっと早く気がつかなかったんだろう。