空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
彼は、美しいパリの夜景にすっかり魅入られ言葉をなくしている私の肩を抱いた。
「日本の夜景とはまたひと味違うだろ?」
醍が私の耳元でささやく。
「うん。ここはやっぱり芸術の都パリって感じがする」
「ここに来てよかったと俺も思う。ただ一つ残念だったのは、」
彼は私の頬に手を当て自分の方に向かせた。
「その時、和桜がそばにいなかったってこと」
そして、そっと私の唇に彼の唇が触れた。
冷たいパリの夜の空気の中で彼と触れている場所だけがとても暖かい。
唇が離れると、彼は優しく微笑みながら言った。
「明日の製作発表会、和桜に見てもらいたいんだ」
「もちろん」
「俺はリハーサルで明日の朝早くに家を出なくちゃならないから、時間になったらタクシーを迎えにやるよ。文化会館の受付まで来てくれたら後は現地スタッフが君を案内する」
「わかった。醍がそばにいないからちょっとドキドキするけど」
「大丈夫さ。だって和桜はここまで一人で来たんだろう?無謀なくらいな勢いで」
彼はいたずらっぽく笑った。
そりゃそうだけど、あらためて言われたらなんだか恥ずかしい。
「お腹すいたわ」
彼から顔を背けてわざとらしく話題を変えた。
「そうだね。さっさと食べて帰らないと、和桜を抱く時間がない」
「もう!」
胸の奥がキュンとなる。
だけど、彼とならいくら抱かれたって愛されたっていい。
エレベーターを降りる前に、もう一度パリの夜景に目をやった。
きっと私は今世界中の誰よりも幸せだ。
「日本の夜景とはまたひと味違うだろ?」
醍が私の耳元でささやく。
「うん。ここはやっぱり芸術の都パリって感じがする」
「ここに来てよかったと俺も思う。ただ一つ残念だったのは、」
彼は私の頬に手を当て自分の方に向かせた。
「その時、和桜がそばにいなかったってこと」
そして、そっと私の唇に彼の唇が触れた。
冷たいパリの夜の空気の中で彼と触れている場所だけがとても暖かい。
唇が離れると、彼は優しく微笑みながら言った。
「明日の製作発表会、和桜に見てもらいたいんだ」
「もちろん」
「俺はリハーサルで明日の朝早くに家を出なくちゃならないから、時間になったらタクシーを迎えにやるよ。文化会館の受付まで来てくれたら後は現地スタッフが君を案内する」
「わかった。醍がそばにいないからちょっとドキドキするけど」
「大丈夫さ。だって和桜はここまで一人で来たんだろう?無謀なくらいな勢いで」
彼はいたずらっぽく笑った。
そりゃそうだけど、あらためて言われたらなんだか恥ずかしい。
「お腹すいたわ」
彼から顔を背けてわざとらしく話題を変えた。
「そうだね。さっさと食べて帰らないと、和桜を抱く時間がない」
「もう!」
胸の奥がキュンとなる。
だけど、彼とならいくら抱かれたって愛されたっていい。
エレベーターを降りる前に、もう一度パリの夜景に目をやった。
きっと私は今世界中の誰よりも幸せだ。