空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
「さ、おしゃべりはこのくらいにして。和桜さんは今日、大役が控えてるからその準備しなくちゃね」
「大役って?」
そんなこと醍は一言も言ってなかった。
「このドレスを着て出てもらうのよ。今日の製作発表の大トリ。醍達がパリに来てフランスのスタッフ達と一緒に作り上げたもの」
そう言って衣装ラックから取り出してきたのは目の覚めるような美しいドレスだった。
淡いプルーから濃いブルーまでのグラデーションの上に大きな満開の桜が描かれており、恐らくビンテージビーズだろうか、その花の上一面にびっしりと繊細な組み合わせで彩られていた。
思わず両手を口に当てて息をのむ。
「素敵でしょう?見事に日本の伝統とフランスの伝統が融合されているわ。あの若さでこれだけのものを作っちゃう醍はやっぱり天才ね」
「・・・・・・これを、私が着るんですか?」
「もちろんよ。あなたを思って醍がデザインから製作まで完結させた」
キラキラ光るドレスからは醍の色んな思いが伝わってきて心が激しく震える。
「大丈夫?」
体中が熱い。ふっと気持ちを緩めたら一気に涙が溢れそうなほどに今ある全ての物に感動していた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
私は美登里さんにゆっくりと頭を下げた。
つい最近までの私だったら、とてもこんなドレス着て製作発表の前に自分をさらけ出すなんてことはできなかったと思う。
だけど、醍と一緒なら何だってできるって今は思えた。
「大役って?」
そんなこと醍は一言も言ってなかった。
「このドレスを着て出てもらうのよ。今日の製作発表の大トリ。醍達がパリに来てフランスのスタッフ達と一緒に作り上げたもの」
そう言って衣装ラックから取り出してきたのは目の覚めるような美しいドレスだった。
淡いプルーから濃いブルーまでのグラデーションの上に大きな満開の桜が描かれており、恐らくビンテージビーズだろうか、その花の上一面にびっしりと繊細な組み合わせで彩られていた。
思わず両手を口に当てて息をのむ。
「素敵でしょう?見事に日本の伝統とフランスの伝統が融合されているわ。あの若さでこれだけのものを作っちゃう醍はやっぱり天才ね」
「・・・・・・これを、私が着るんですか?」
「もちろんよ。あなたを思って醍がデザインから製作まで完結させた」
キラキラ光るドレスからは醍の色んな思いが伝わってきて心が激しく震える。
「大丈夫?」
体中が熱い。ふっと気持ちを緩めたら一気に涙が溢れそうなほどに今ある全ての物に感動していた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
私は美登里さんにゆっくりと頭を下げた。
つい最近までの私だったら、とてもこんなドレス着て製作発表の前に自分をさらけ出すなんてことはできなかったと思う。
だけど、醍と一緒なら何だってできるって今は思えた。