空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
彼の手の上に自分の手を重ね合わせる。
場内が一気に暗くなり、私は醍のエスコートでステージ中央に向かった。
その時、パァン!とスポットライトが私達を照らす。
生演奏らしきクラシカルな音楽が流れ始め、私達はステージに設けられた赤絨毯の上をゆっくりと歩いた。
会場からは様々な場所で感嘆の声が漏れ聞こえる。
誰かが「Beautiful!」と叫ぶ。
緊張しすぎて体が強ばっている。
醍の顔を見上げると、彼は穏やかに微笑んでくれた。
その微笑みに助けられ、なんとか赤絨毯の最後まで歩ききる。
「ここに立ってて」
彼が私の耳元でささやき、そのまま会場にセッティングされたマイクが立っている場所に悠然と歩いていった。
そしてマイクと取ると日本語で話し始める。
「こちらが私達が半年かけて、フランスと日本の伝統芸術を担う若手スタッフ達と作り上げたドレスです。日本の京友禅の美とフランスのオートクチュールの美を合わせもつドレスだと自負しております」
会場内が一斉に拍手と歓声に包まれた。
「この場で申し訳ありませんが、今回私の新しい吉丸の伝統を展開したいというわがままを許してくれた父に感謝致します」
醍は深々とどこかにいるであろう自分の父親に頭を下げた。
お父さんは許してくれたのね。深く頭を下げた彼のその姿に胸を打たれる。
「そして、このドレスを急な依頼に関わらず着てくれた渡瀬和桜さん、本当にありがとう。このドレスは彼女のためだけに作りました」
どこからともなく厳かな拍手が沸き起こる。
「私の大切な女性です。この場をお借りして彼女への感謝の気持ちとともに皆様にもご報告させて頂きます」
こんなにたくさんの人達の前でそんなこと言うなんて!
全員の視線が私に注がれていた。体中が一気に沸騰する。
醍は再び私の方へゆっくりと近づいてきた。
場内が一気に暗くなり、私は醍のエスコートでステージ中央に向かった。
その時、パァン!とスポットライトが私達を照らす。
生演奏らしきクラシカルな音楽が流れ始め、私達はステージに設けられた赤絨毯の上をゆっくりと歩いた。
会場からは様々な場所で感嘆の声が漏れ聞こえる。
誰かが「Beautiful!」と叫ぶ。
緊張しすぎて体が強ばっている。
醍の顔を見上げると、彼は穏やかに微笑んでくれた。
その微笑みに助けられ、なんとか赤絨毯の最後まで歩ききる。
「ここに立ってて」
彼が私の耳元でささやき、そのまま会場にセッティングされたマイクが立っている場所に悠然と歩いていった。
そしてマイクと取ると日本語で話し始める。
「こちらが私達が半年かけて、フランスと日本の伝統芸術を担う若手スタッフ達と作り上げたドレスです。日本の京友禅の美とフランスのオートクチュールの美を合わせもつドレスだと自負しております」
会場内が一斉に拍手と歓声に包まれた。
「この場で申し訳ありませんが、今回私の新しい吉丸の伝統を展開したいというわがままを許してくれた父に感謝致します」
醍は深々とどこかにいるであろう自分の父親に頭を下げた。
お父さんは許してくれたのね。深く頭を下げた彼のその姿に胸を打たれる。
「そして、このドレスを急な依頼に関わらず着てくれた渡瀬和桜さん、本当にありがとう。このドレスは彼女のためだけに作りました」
どこからともなく厳かな拍手が沸き起こる。
「私の大切な女性です。この場をお借りして彼女への感謝の気持ちとともに皆様にもご報告させて頂きます」
こんなにたくさんの人達の前でそんなこと言うなんて!
全員の視線が私に注がれていた。体中が一気に沸騰する。
醍は再び私の方へゆっくりと近づいてきた。