空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
電話を切ると、横にいた醍が口もとを緩めながら尋ねる。
「何?問題発生でも?」
「TUYUKUSAさんの絵と私の絵がお似合いで、入館者数がすごいことになってるから早く帰ってこいって」
「何だそれ?」
醍はおどけた調子で笑いながら私の腰に腕を回す。
「こちらの仕事が落ち着いたら日本にすぐ帰るから」
「うん」
「帰ったらすぐ結婚の準備進めよう」
私は醍と一緒になるんだ。
まだ昨日の今日で信じられないけれど私はこくんと頷く。
「親父は俺の新規プロジェクトは、吉丸家を分社化してやるから新しい自分の会社として進めていけって」
「それって、醍が若社長ってこと?」
「そう、みたいだな。まぁ、俺もまだまだだから、これからも皆の協力が必要だけどね。とにかくがんばるよ。吉丸家の名に恥じないように」
そんなことを言う醍はますます輝いて見えた。
「醍は、予告通りちゃんと『空(くう)』を掴んだね」
「ん。掴めたのは和桜に出会えたからだよ」
「そんなことはないわ」
「空と愛は似てる。実体はないけれど確かにそこに存在してる。その気持ちをぶれずにもっていたら掴めるってことを君から教えてもらったんだ」
私は醍から空以上のものをたくさん教えてもらったよ。
黙ったまま二人で見つめ合った。
言葉もいらない。
見えないけれど二人の気持ちはずっと繋がっているから。
「何?問題発生でも?」
「TUYUKUSAさんの絵と私の絵がお似合いで、入館者数がすごいことになってるから早く帰ってこいって」
「何だそれ?」
醍はおどけた調子で笑いながら私の腰に腕を回す。
「こちらの仕事が落ち着いたら日本にすぐ帰るから」
「うん」
「帰ったらすぐ結婚の準備進めよう」
私は醍と一緒になるんだ。
まだ昨日の今日で信じられないけれど私はこくんと頷く。
「親父は俺の新規プロジェクトは、吉丸家を分社化してやるから新しい自分の会社として進めていけって」
「それって、醍が若社長ってこと?」
「そう、みたいだな。まぁ、俺もまだまだだから、これからも皆の協力が必要だけどね。とにかくがんばるよ。吉丸家の名に恥じないように」
そんなことを言う醍はますます輝いて見えた。
「醍は、予告通りちゃんと『空(くう)』を掴んだね」
「ん。掴めたのは和桜に出会えたからだよ」
「そんなことはないわ」
「空と愛は似てる。実体はないけれど確かにそこに存在してる。その気持ちをぶれずにもっていたら掴めるってことを君から教えてもらったんだ」
私は醍から空以上のものをたくさん教えてもらったよ。
黙ったまま二人で見つめ合った。
言葉もいらない。
見えないけれど二人の気持ちはずっと繋がっているから。