空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
メインに熱々の天ぷらが目の前に置かれる。
衣はきれいな黄金色。
一口かじるとサクッといい音がした。
「おいしい」
思わずこぼれる。
元々天ぷら好きの私は、おいしいと言われるたくさんの名店に足を運んだけれど、衣の中の味はしっかりと濃厚なのに重たくならない天ぷらは初めてだった。
吉丸さんは、何度も「おいしい」と言いながら天ぷらを頬ばる私を嬉しそうに見つめていた。
そういう時の彼の眼差しは私よりも年下には見えない。
逆に、普通に年上の男性よりも甘えさせてくれるんじゃないかって思えてしまうのはなぜだろう。
今まで自分の近くにこんなタイプの年下男性がいなかったかもしれない。
彼みたいなアンバランスな感じはとても新鮮だった。
「私ばっかり質問されてるけど、吉丸さんのことも教えて」
「その前に・・・・・・本当言うと『吉丸』って呼ばれるの嫌いなんだ。醍って下の名前で呼んでくれない?」
伏し目がちにそう言った彼の頬は微かに紅い。
照れているのか、他に何か理由があるのかはわからないけど、彼の言うようにしようと思う。
「じゃ、醍さん。あなたは一体何者なの?」
大きく見開かれた彼の目が私の顔を凝視する。
衣はきれいな黄金色。
一口かじるとサクッといい音がした。
「おいしい」
思わずこぼれる。
元々天ぷら好きの私は、おいしいと言われるたくさんの名店に足を運んだけれど、衣の中の味はしっかりと濃厚なのに重たくならない天ぷらは初めてだった。
吉丸さんは、何度も「おいしい」と言いながら天ぷらを頬ばる私を嬉しそうに見つめていた。
そういう時の彼の眼差しは私よりも年下には見えない。
逆に、普通に年上の男性よりも甘えさせてくれるんじゃないかって思えてしまうのはなぜだろう。
今まで自分の近くにこんなタイプの年下男性がいなかったかもしれない。
彼みたいなアンバランスな感じはとても新鮮だった。
「私ばっかり質問されてるけど、吉丸さんのことも教えて」
「その前に・・・・・・本当言うと『吉丸』って呼ばれるの嫌いなんだ。醍って下の名前で呼んでくれない?」
伏し目がちにそう言った彼の頬は微かに紅い。
照れているのか、他に何か理由があるのかはわからないけど、彼の言うようにしようと思う。
「じゃ、醍さん。あなたは一体何者なの?」
大きく見開かれた彼の目が私の顔を凝視する。