空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
「これなんだけど」
ノートブックには、彼のデザインしたであろう雑貨が数点とその絵柄が詳細に描き込まれている。
「これは雑貨ね?」
「ああ、ペーパーウェイトやブローチ。ちょっとした贈り物にいいと思うんだ。誰にでも手に取ってもらえるようなもので、しかもそのよさも広まるんじゃないかってね」
「へー、確かに贈り物には品格もあっていいかもしれない」
私は想像以上に素敵なデザインと提案に感心して頷いた。
そして、次のページには恐らくウエディングドレスだろうか?
シンプルな形だけれど、その絵柄はとても色華やかに繊細に描かれていた。
「とても美しいわ」
その図案を見ながら感嘆する。
「このドレスは、以前フランスに留学していた時に学んだオートクチュールを参考にしているんだ。京友禅とオートクチュールっていうのは製法が似ていると思ってね。しかもどちらも伝統を踏んだ古典美という共通点があるんだ」
「オートクチュール?」
「オートクチュールは簡単に言ってしまえば高級仕立て服だよ。京友禅と同じで顧客から依頼を受けてデザイナーが顧客と相談しながら最後まで仕立て上げる。そうやって作られたドレスは全て手作業で、まさに一点物。細かい手作業で刺繍が施されたドレスは時を経ても眼を見張るほどすばらしい」
そんな話をしている時の醍の瞳は普段以上に輝いていた。
本当に夢中なんだ。
これだけ何かに夢中になれるってすごいと思う。嫉妬してしまうくらいに。
私も絵を描くのは好きだけど、ここまでじゃないから。
「あとさ、これもフランスで仕入れたんだけど、ビンテージビーズ。これをデザイン画に刺繍して付けたら一層引き立つと思うんだよね」
「ビンテージビーズってかなり古いものなの?」
「ああ、30年代物だけどね。色調がややぼんやりとしているんだけど品がある。ほら、他にも吹きガラスで作ったビーズやカットガラスで作ったビーズもあるんだ。それぞれに個性があって、組み合わせ次第でデザイン画を引き立てる美しい装飾に仕上がるよ」
彼が取り出したビーズは種類ごとに見やすく小分けされている。
小さなビーズ達はまるで彼の瞳のようにキラキラと輝いていた。
ノートブックには、彼のデザインしたであろう雑貨が数点とその絵柄が詳細に描き込まれている。
「これは雑貨ね?」
「ああ、ペーパーウェイトやブローチ。ちょっとした贈り物にいいと思うんだ。誰にでも手に取ってもらえるようなもので、しかもそのよさも広まるんじゃないかってね」
「へー、確かに贈り物には品格もあっていいかもしれない」
私は想像以上に素敵なデザインと提案に感心して頷いた。
そして、次のページには恐らくウエディングドレスだろうか?
シンプルな形だけれど、その絵柄はとても色華やかに繊細に描かれていた。
「とても美しいわ」
その図案を見ながら感嘆する。
「このドレスは、以前フランスに留学していた時に学んだオートクチュールを参考にしているんだ。京友禅とオートクチュールっていうのは製法が似ていると思ってね。しかもどちらも伝統を踏んだ古典美という共通点があるんだ」
「オートクチュール?」
「オートクチュールは簡単に言ってしまえば高級仕立て服だよ。京友禅と同じで顧客から依頼を受けてデザイナーが顧客と相談しながら最後まで仕立て上げる。そうやって作られたドレスは全て手作業で、まさに一点物。細かい手作業で刺繍が施されたドレスは時を経ても眼を見張るほどすばらしい」
そんな話をしている時の醍の瞳は普段以上に輝いていた。
本当に夢中なんだ。
これだけ何かに夢中になれるってすごいと思う。嫉妬してしまうくらいに。
私も絵を描くのは好きだけど、ここまでじゃないから。
「あとさ、これもフランスで仕入れたんだけど、ビンテージビーズ。これをデザイン画に刺繍して付けたら一層引き立つと思うんだよね」
「ビンテージビーズってかなり古いものなの?」
「ああ、30年代物だけどね。色調がややぼんやりとしているんだけど品がある。ほら、他にも吹きガラスで作ったビーズやカットガラスで作ったビーズもあるんだ。それぞれに個性があって、組み合わせ次第でデザイン画を引き立てる美しい装飾に仕上がるよ」
彼が取り出したビーズは種類ごとに見やすく小分けされている。
小さなビーズ達はまるで彼の瞳のようにキラキラと輝いていた。