空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
事務所に戻るとほどなくしてまほろば編集部の人達が到着し、会議が始まった。
まほろば編集部が出してきたコンセプト案もいくつかあったけれど、多数決で私の案に決まった。
なんだか私みたいな素人の案が通ったことが申し訳なくて、どういう顔をしていいのかわからない。
「やっぱり渡瀬さんの発想は新鮮でおもしろいねぇ。そんな恐縮することないよ」
チーフの山田さんがそんな私の気持ちを察してか優しく声をかけてくれた。
植村さんも微笑みながら私を見て頷く。
「渡瀬さんに足りないものがあるとすれば、『自信』だな。もっと自信を持てばいい。君には他の人にはない魅力があると思うよ。今回の企画にも厚かましいと思うくらい首を突っ込んでくれ」
山田さんはそう言うと、皆に展示会の企画書を配り始めた。
・・・・・・自信。
私に足りないもの。
あの日からなくしてしまったもの。
本当にいいのかな。こんな私で。
その後も編集部の人達や植村さんは生き生きと意見を交わしている。
こんなにも自分の考えや思いをぶつけているような中に自分の意見を発するのは、まだ恐いような気がしていた。
「今回も、ビッグネーム何人かに作品を依頼しているんだ。もちろん誰かってことは皆にも内緒だけど」
山田さんは少し得意げな顔をして皆を見回す。
編集部の一人が「チーフだけ知ってるなんてずるいですよ」と言って頬を膨らませた。
「せめて、ビッグネームのペンネームだけでも教えて下さい」
その問いかけに思わず私も山田さんに顔を向ける。
まほろば編集部が出してきたコンセプト案もいくつかあったけれど、多数決で私の案に決まった。
なんだか私みたいな素人の案が通ったことが申し訳なくて、どういう顔をしていいのかわからない。
「やっぱり渡瀬さんの発想は新鮮でおもしろいねぇ。そんな恐縮することないよ」
チーフの山田さんがそんな私の気持ちを察してか優しく声をかけてくれた。
植村さんも微笑みながら私を見て頷く。
「渡瀬さんに足りないものがあるとすれば、『自信』だな。もっと自信を持てばいい。君には他の人にはない魅力があると思うよ。今回の企画にも厚かましいと思うくらい首を突っ込んでくれ」
山田さんはそう言うと、皆に展示会の企画書を配り始めた。
・・・・・・自信。
私に足りないもの。
あの日からなくしてしまったもの。
本当にいいのかな。こんな私で。
その後も編集部の人達や植村さんは生き生きと意見を交わしている。
こんなにも自分の考えや思いをぶつけているような中に自分の意見を発するのは、まだ恐いような気がしていた。
「今回も、ビッグネーム何人かに作品を依頼しているんだ。もちろん誰かってことは皆にも内緒だけど」
山田さんは少し得意げな顔をして皆を見回す。
編集部の一人が「チーフだけ知ってるなんてずるいですよ」と言って頬を膨らませた。
「せめて、ビッグネームのペンネームだけでも教えて下さい」
その問いかけに思わず私も山田さんに顔を向ける。