【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「でもね大切なのは形じゃないの。幸せになってほしい。ただそれだけなのよ。だから本当に好きな人といられるなら、形なんかこだわらなくてもいいと思う」
母が結婚、結婚と口うるさく言った真意を知って、やっぱり自分は親不幸だと思う。
「お母さん。--ごめんね」
母が思い描いていているような道を歩む娘でなくてごめんなさい。
「何謝っているの、お母さん、これでも先進的な考えしてるんだから、イケてるでしょう。だから芽衣子」
テーブルの上に置いてあった手に、母の手が重ねられた。
「幸せになるための努力をしなさい。目的を間違わないように、ね」
「うん……うん……ありがとう」
あれもこれも言いたいことがたくさんあるのに、震える唇から感謝を伝えるので精一杯だった。
歳を重ねた母の手。わたしの記憶にあるよりもずいぶんと小さくなったように思う。
心配ばかりかける娘でごめんね。それとお母さんの子でよかった。