【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
お祝いしたい気持ちはあったから披露宴でしっかり祝福して、申し訳ないが二次会はパスさせてもらおうと考えていた。

そう思っていたところに、地元が同じだった高校時代の同級生の木下(きのした)さんが声をかけてきた。

げっ……。

できれば新郎(元彼)側の人とは接触したくなかったのにな。

正直昔からあまり得意な相手ではなかった。

だからなるべく早く話を切り上げたいと、話す前からそんなことを思っていた。

「森安さん……元彼のご結婚についてご感想は」

さっそくきた。

ニヤニヤと笑うその顔に無性にイライラした。

この子、昔から他人の揉め事とかスキャンダル大好きだったものね。

「もちろん、おめでたいと思っているわよ」

短い言葉で返したが、木下さんはもっと突っ込んで聞きたがった。

「本当に? 森安さんってまだ結婚してないでしょう。わたしだったら耐えられないなぁ、自分だけおいてけぼりされてるみたいで、だってまだ結婚してないよね? 森安さん」

まるで見せびらかすようにして、彼女は左手をひらひらさせる。

その手には結婚指輪がはめてあった。
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