【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました

自分の都合にばかりあわせて、彼の本当に大切な部分を見ないようにしてきたのだ。

どうしてこんな素敵な人を、自分の人生から追い出そうとしていたのだろうか。自分の馬鹿さ加減に泣けてくる。

だけど、泣く前にしなければならないことがある。

わたしは顔を上げて、まっすぐケイトを見た。

「好き……なの。ケイトのことが好き」

わたしの告白に、彼は形の良い目を大きく見開いた。

「あ、え? 今、それ……言う?」

いつでも余裕だった彼が、こんなふうに焦っている姿は見たことない。

「ダメだった? でも一秒でも早く言いたくてっ……えっ」

それ以上言葉は続けられなかった。

ケイトは一歩前に出ると、わたしの肩をぐっと引き寄せて唇を重ねた。

柔らかく触れるだけのキス。

突然のことで目を閉じることもできなかった。彼はわたしを至近距離で見つめるともう一度わたしに唇を寄せる。

ゆっくりと重なった唇は、次第に熱を帯びる。角

度を変え何度も与えられるキスは震えるほど甘美で、わたしは立っていることもままならない。

ケイトはお見通しなのか、わたしの背中に回した手でわたしをきつく抱きしめた。

「んっ……ふっ……あ」

あえぐように呼吸をしながら、熱いキスが続く。容

赦なく差し込まれた舌が、わたしのそれを絡め取り、より深いキスを仕掛けてくる。
< 116 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop