【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました

もちろん新しい部署でも仕事が大変なのは変らない。

けれど、新しい挑戦を北村芽衣子になると同時に始めたいと思ったのだ。

送別会は先週の金曜に行われた。色々な部署のたくさんの人がやってきてくれた。

懐かしい顔もあり話に花が咲いた。たくさんの人に助けてもらっていたのだと改めて実感した、そんな日だった。

「さてと、これくらいでいいか」

片付けを終えたわたしは、通用口から出た。すでにあたりは暗くなりかけていた。

駅に向かって歩き出したとき、シルバーの車にもたれているケイトに気がついた。

「ケイト!」

駆けだしたわたしに気がついたケイトは、わたしの大好きな笑顔を見せて手をふってくれている。

彼の前まで走って向かう。

急がなくったって、ふたりの時間はこれからたくさんある。

それでも一分一秒でも彼のそばにいたい。

「迎えに来てくれたの? ありがとう」

助手席のドアを開けてくれたので車に乗り込んだ。ケイトも運転席に回り込む。

「お疲れ様でした」

車に乗るやいなや、ケイトが後ろの座席から赤いバラの花束を差し出した。
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