【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
その日の夜。

疲れ切ったわたしは、披露宴の後すぐに部屋に戻った。

帰りにコンビニに寄って、やけ酒よろしくビールや缶チューハイを買い込んだ。

もうこの時点で女子力とかそういうのは皆無なのだけれど、翌日に持ち込まないようにするために必要なことだ。

ワンピースを脱ぎハンガーにかけ「これ何回着たっけ?」と思い返していると、結構な数の披露宴に着て行ったのだとしみじみする。

自分の番は来るのかと漠然とした不安が襲いかかってきたので、ブンブンと頭をふってシャワーに向かった。

いろんなモヤモヤを綺麗さっぱり洗い流したい。

「ぷはーっ」

シャワーの後、頭にタオルを巻いたまま、買ってきていたチューハイをぐびぐびと煽る。

生き返ると言えば大げさなのかもしれないけれど、単純なわたしはすっきりした気持ちで何気なくスマートフォンを手にした。

「ん? お母さん……どうしたんだろう」

普段はメッセージをやりとりするSNSで連絡がくることがほとんどだ。

いつも仕事で電話に出られないことが多いことから、社会人になって自然とそうなった。

それにわたしの実家は小さなお弁当屋をしていることから、向こうもそこまで暇じゃないのだ。
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