【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
第二章 出会ったのは見込みのない男
第二章出会ったのは、見込みのない男
日曜日の夜。
わたしはたったひとり、都会の片隅にあるバーでうなだれながらビールをあおっていた。
「おかわり、ください」
飲み干したグラスを、唇についた泡を拭いながらバーテンダーに差し出す。
丁寧に「かしこまりました」と言うその声色が、荒らぶっているわたしのとの温度差を感じさせる。
すぐに新しいグラスを差し出され、わたしはそれも半分以上飲み干した。
「んー」
小さな声で、うめき声をあげる。
いくら勢いよく飲んでも、まったく怒りと陰鬱な気持ちはおさまってくれそうにもない。
もう一度グラスを持ち、ビールをあおろうとしたところに隣からすっと彩り豊かなカナッペが差し出された。
隣を見ると若い男性が座っていた。
いつの間にいたのか、まったく気がつかなかった。
「何も食べないで、そんなふうに飲んでいたら悪酔いしますよ」
うっすらと口元に笑みを浮かべたその人は、思わずじっと見とれてしまうほど洗練されていた。
Tシャツにカーディガンを羽織っていて、ブラックデニムを身につけている。
無駄にアクセサリーなんかもつけておらず、腕には時計だけ。
ラフな格好でともすればだらしなく見えるはずなのに、彼のまとう精錬な雰囲気のおかげかそのシンプルさが彼に似合っていると思う。
少し長めの前髪の間からのぞく形の良い目は、興味津々といった様子でわたしを見ていた。
日曜日の夜。
わたしはたったひとり、都会の片隅にあるバーでうなだれながらビールをあおっていた。
「おかわり、ください」
飲み干したグラスを、唇についた泡を拭いながらバーテンダーに差し出す。
丁寧に「かしこまりました」と言うその声色が、荒らぶっているわたしのとの温度差を感じさせる。
すぐに新しいグラスを差し出され、わたしはそれも半分以上飲み干した。
「んー」
小さな声で、うめき声をあげる。
いくら勢いよく飲んでも、まったく怒りと陰鬱な気持ちはおさまってくれそうにもない。
もう一度グラスを持ち、ビールをあおろうとしたところに隣からすっと彩り豊かなカナッペが差し出された。
隣を見ると若い男性が座っていた。
いつの間にいたのか、まったく気がつかなかった。
「何も食べないで、そんなふうに飲んでいたら悪酔いしますよ」
うっすらと口元に笑みを浮かべたその人は、思わずじっと見とれてしまうほど洗練されていた。
Tシャツにカーディガンを羽織っていて、ブラックデニムを身につけている。
無駄にアクセサリーなんかもつけておらず、腕には時計だけ。
ラフな格好でともすればだらしなく見えるはずなのに、彼のまとう精錬な雰囲気のおかげかそのシンプルさが彼に似合っていると思う。
少し長めの前髪の間からのぞく形の良い目は、興味津々といった様子でわたしを見ていた。