【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
パソコンでチャートをチェックしながら、顧客と電話をする。

お客様の資産の状況のお知らせと、新しく出る商品の案内をして興味がありそうなお客様を開拓していく。

お客様によって、株式一辺倒の人。国債や優良企業の社債が好きな人。新規の公開株に目がない人、それぞれだ。

お客の好みに合わせた商品を提案し、お客様の資産運用の手助けをするのが仕事。

だが正直口で言うのは簡単だけれど、このご時世なかなかするっと商談がまとまることは少ない。だからこそやりがいがあるのだけれど。

「ええ、先日の新規公開の株なんですが……ええ、抽選で外れてしまいまして、はい。代わりと言っては……そうですか、わかりました。またお電話します」

ゆっくりと受話器を置いて、はぁとため息をつく。

こういうことはよくあることで――いや、ほとんどがにべもなく断られることがほとんどだ。

次、次にいこう。

受話器に手を伸ばしたとき、内線が鳴ったのですぐに取った。
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