【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
この温度差はなんなの?

「で、どうしてわたしの勤め先が分かったの?」

周りに聞かれないように、小声で話をする。

「芽衣子さんが教えてくれたんですよ。もしかして忘れた? あんなに愛し合ったのに」

「ちょ、ちょっと! そういう言い方やめてくれない。誤解を招く」

「誤解? 真実でしょ。それはそうと、こうやってヒソヒソ話をしていると、周りは俺たちに余計に興味を示すと思うのだけどいいの? 
まぁ実際俺たち親密な関係だから問題ないっちゃ、ないですよね」

いちいち正論だ。しかし言い合っている暇はない。

わたしは姿勢を正すと、他のお客様に対応するようにビジネスライクに接することにした。

さっさと用件を聞いて、お引き取りいただくことにしたのだ。

このままここにいられると、非常に悪いことが起こるような気がする。

「で、ご用件は?」

急に態度を変えたわたしに、ケイトはいたずらめいた視線を向ける。

わたしがどんな態度をとってもひるむことなく、余裕だ。

きっとこちらの魂胆なんて見抜いているに違いない。

「これ、いらないんですか?」

「あっ! わたしのスマホ。どこにあったの?」

あれだけ探しても見つからなかったのは、彼が所持していたからだ。

「どこにって、ここで言ってもいいんですか?」

「ダメ、絶対!」
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