【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「上のお店って、ここの?」

最近出来たこの複合施設は、オフィスはもちろん世界に名を馳せるブランドや、有名老舗ホテルが新しく経営するホテルなどがあって、どこもかしこも高級を唄っている。

レストランなんて予約なしに入れるはずなはい。

それに万が一入店できたとしても昨日散々飲み明かしたわたしの財布の中身では、支払いできるかどうかも定かではない。

「はい。イタリアンのお店があるって聞いたから。好きですよね。芽衣子さんが押してくれたんですよ。覚えてないかもしれないけど」

たしかにイタリアンは好きだ。だがこのビルにあるイタリアンの店では値段が気になって味どころではないだろう。

きっとおごるのはわたしだろうし。

あの時間、あんなラフな格好でわたしを尋ねて来たケイトはおそらく仕事をしていないのではないかと思う。

理由は色々あるだろうけれど、そんな彼に支払わすわけにはいかない。

「あ~イタリアンね……好きだけど、ここのお店いくらするかわかってるの? それにわたし今日は焼き鳥の気分なの」

「え? でもここの店すごく美味しいって聞いたから」

でしょうね! そして値段も超一流よ。

「いいから、いいから。今日はわたしのおすすめの焼き鳥屋さんに行こう」

「え……まぁ、芽衣子さんがそれでいいっていうなら、いいけど」

ケイトの手をひっぱって歩きだした。

ふ~なんとか自然にできたはず。本当にもう心臓に悪い。
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